側弯症は治るの出版についてと装具の寿命について
当院の著書「側弯症は治る」の再出版の経緯ついて
2025年4月28日にブティック社より「側弯症は治る」が出版されました。
全国の大手書店さんやAmazonや楽天などの通販サイトでもご購入いただけます。
これは2013年に出版された当院の創始者である大塚乙衛が書いた本のリニューアル版になります。
2013年に以前から健康雑誌に側湾症について寄稿していたことや体操などの学術論文を発表していたこと、側湾症に特化して施術を1995年から続け、そして病院とも提携していること、さらに多くの改善者を出したことなどを評価され、マキノ出版から自費出版ではなく依頼されて出版することになりました。
これが毎年のように重版され2021年までに13回重版されるほど高評価となりました。
しかし2021年にマキノ出版が倒産してしまい、今年まで中古品だけが出回るようになり手に入りにくくなってしまいました。
その間も多くの方からたびたび本について問い合わせがありましたが、なかなか解決策がみつからない状態でした。
そして昨年の秋ころにご縁でブティック社の編集の方と知り合い、ありがたいことに再出版していただけるかたちになりました。
そこから半年で体操の写真の撮り直しや原稿の編集をしていただき、ついに発売となりました。
今回も自費出版ではないため発売部数が多ければ多いほど重版されます。
創始者の本として出版されているため基本的には内容を変えていません。
しかし側湾症についてはとても詳しく書かれており体操やビフォーアフターの写真も前回と違いカラーで掲載されているので、ぜひ手に取っていただければと思います。
内容は賛否両論あるでしょう。
父が出版したときも否定的な口コミもあったようです。
しかし側弯症と診断されて何をしていいか途方に暮れている人の支えになってくれるのであれば、出版していただいた価値はあると思いますので、ぜひ側湾症で悩んでいる方に紹介していただけたらと思います。
大塚式側弯エクササイズについて
前回の書籍と大きな違いはエクササイズの種目を減らしたことです。
わかりやすくいうとリラックス体操をカットしました。
理由としては様々ありますが、一番は種目が多すぎて本来やってほしいエクササイズまでたどり着かないという声があったことです。
また子どもの場合はリラックス体操は簡単すぎて流してやる子も多かったことから外しました。
当院でも10年ほど前からあまり重きを置いていません。
また大人特に高齢の方はいきなり書籍のエクササイズをフルでやるのは困難な方もいるかもしれません。
そのため当院ではリラックス体操を組み込んだ高齢者用の簡単なエクササイズも用意しています。
まずはそこから始める人も多いです。
度数と見た目の優先度はあるのか
大人の場合はどちらかというと度数よりも見た目の変化と痛みの軽減を目的にしますが、子どもの場合は短期的には度数の改善・長期的には見た目の改善を目指すのがよいと思います。
書籍の最後にも書きましたが、側湾症を良くする目的はまず見た目です。
見た目が改善しないことには意味がないと思っています。
仮に40度を手術のラインだとすると39度は手術しなくていいのに41度は手術しないといけない。
この2度の差は、もしかしたら誤差かもしれません。
セカンドオピニオンで違う病院に行ったら度数が変わることが多いです。
また手術のラインも40度の病院もあれば45度の病院も50度の病院もあります。
コルセットの製作ラインだって20度の病院もあれば25度の病院もあります。
そのくらい病院の見解によって曖昧ではあります。
また成長期のどのフェーズかによっても変わります。
また後に記載しますが、コルセットの効き具合によっても変わっていきます。
しかし見た目に関してはしっかり施術すればはっきりと変化もわかりますし、将来的にも他人に度数を聞かれることはないけれど、見た目は他人にもみられるでしょう。
くびれの違いや骨盤の高さの違い、脇の空き具合やバストの左右差など側彎症に伴う見た目の違いは30度でケアをしていない人よりも40度でケアをしっかり行っている人のほうがきれいなこともあります。
なので度数ももちろん大切ですが見た目の変化も大切だと考えています。
側弯症のコルセットの寿命について
あなたがつけているコルセット、寿命を迎えていませんか?
コルセットを製作したはいいものの定期的な調整や修正、さらには造り替えをせずに何年もずっと同じコルセットを効果があるのかないのかわからないまま装着していませんか?
コルセットははっきりいって消耗品です。
なので定期的なな調整や修正、さらには造り替えを推奨します。
まず大前提としてコルセットは製作時したときの体型に合わせて型どりしています。
なので作った時が一番効果がでやすくなります。
(そのため、出来上がった時点でのコルセットつけたレントゲンの度数が、コルセットしていないで撮ったレントゲンの度数とほとんど変わらなかったら、そのコルセットは効果がない装具となり、装着する意味がないのに等しくなります。そういった場合は担当医や担当装具士にしっかりた説明してもらい直してもらうことを検討してください。)
そこから次のレントゲンがだいたい4か月後、その次が8か月後、そして1年後と月日が経つにつれ、度数の進行や悪化による体型の変化はもちろんのこと、成長期ならば背がすごく伸びたり、太ったり痩せたりなど何かしらの体型の変化、そしてコルセットが体になじみすぎることで、そのコルセットの効果がMaxからすこしずつ減点されていきます。
なので定期健診の時には必ずコルセット装着前と装着時のレントゲンの度数を確認することが必要と考えます。
まず装着前のレントゲンを撮る意味としては、シンプルに側湾症が前回の定期健診時に比べて進行しているか改善しているかの確認することができます。
(ここでもひとつポイントがあります。ギリギリまでずっとコルセット装着して病院に行き、先にコルセット装着して撮影すると装具の効果が少しでも残っている場合に改善しているようにみえることがあります。もちろん改善している場合もありますが、多くはコルセットも締め付けの余韻によって改善している風になっていることが多いです。あくまで患者様の話を聞いたことからの推察ですが、自費コルセットを推進している病院は、本来なら保険適応のものをわざわざ高額を出費させている手前、効果がでているようにみせないといけないと考えているからかこの手法を使うことが多いです。)
話を戻しますと、装着前と装着時をどちらも撮影することで、現状の素の度数そしてコルセット効き具合を確認することができます。
この時に製作時と比べてコルセットの効果が残っているのかを比較してください。
少しでもコルセットの効果が残っていればよいですが、素の度数が改善しているのに、コルセットの効果が製作時よりも薄れている場合は装具の調整を行ったほうがよいでしょう。
(これも病院によって修正をしてくれる病院あれば、患者様側から言わないとやってくれない病院もあります。)
コルセット装着時のレントゲンを撮らないと、本当に効果があるのかがわかりません。
いくらフィット感が良くても装着時の度数が製作時よりも悪いことは結構あります。
なかには1日20時間以上もコルセットをしている子もいるでしょう。
想像してみてください。
ただでさえ苦しいし暑いし邪魔くさいし目立つのに効果があるかどうかわからないコルセットを20時間も頑張っていることを。
効果がなければ、その時間が無駄になってしまいます。
なので確認はその都度したほうがよいです。
ここまで読むと効果のないコルセットをやめろというように感じると思いますが、保険適応は1年に1個までとされています。
(例外もありますが)
そのため自費で作り直すことに抵抗がある場合は、最低でも1年はそのコルセットを装着しなければなりません。
だからこそ効果の確認と修正をしてもらうようにしましょう。
正直、この話は世の中すべての側彎症のコルセットにあてはまります。
当院のコルセットも当然経年劣化していきます。
ずっと効くコルセットなんてありません。
(成長期が終わりかけの場合は必ずしもそうでないかもしれませんが)
だからこそ1年経過で保険適用になるので、それまではしっかり修正をして効果を残しつつ1年から1年半くらいでコルセットを作り直すというのが施術をしていくうえで最適だと考えます。