側弯症と姿勢の関係性と注意点
姿勢が悪いから側湾症になるのか
低学年で軽度の場合は姿勢が悪い→軽度の側湾症という関係性が成り立つことがあると考えられますが、思春期で15度を超えている場合は、側湾症になる→姿勢が悪く見えるという関係性になるでしょう。
なぜなら姿勢が悪いから側湾症になるとなった場合、世の中の大半の人が側湾症になるということになってしまうからです。(側湾症は人口の3%といわれています)
しかし姿勢を改善することで見た目もきれいになるし、体も軽くなり、腰痛の予防にもなるでしょう。
悪い姿勢のパターン
1. あごだしタイプ(前への突出)
症状と影響
• あごを突き出す姿勢になりやすく、首(頚椎)だけでなく胸椎まで歪む
• 自律神経の乱れが起こり、寝付きや寝起きが悪くなる可能性
• 口呼吸になりやすく、酸素不足で集中力の欠如を引き起こす
特徴
• ゲームやスマホを使う際に顔を前に突き出して背中を丸める
• ノートに書くとき、首だけを下げて顔がノートに近すぎる
• 机の高さが合わず、肩がすくんだり腕が浮いた姿勢になる
• 勉強机が散らかっており、手前の狭い範囲で勉強している
• 走っているときもあごが前に突き出たまま
改善策
• 首のコリを優先的にほぐす(首の付け根関節に負担がかかっている)
• 自律神経の乱れに気をつけ、緩めるケアを早めに取り入れる
2. 仙骨歪みタイプ(腰を反らせてお尻突き出し)
症状と影響
• 腰を反らせて、お尻を突き出した姿勢
• 骨盤が安定せずバランスが悪い
• 歩き方がお尻を振るようになり、走るのが遅く感じる
• 足が床につかず、椅子にぶらぶら浮いたまま座ることも
• 運動が苦手と自覚している傾向
特徴
• 椅子に座っていると、お尻がずれる
• 椅子に座って膝を抱えるように足を上げて勉強や食事
• 足の重みで体幹が安定できず、不安定な座り方
改善策
• 骨盤を安定させ、仙骨を立てて座る姿勢を意識させる
• 骨盤周辺筋肉のストレッチや、簡単な体幹トレーニングを取り入れましょう
3. 無体軸タイプ(過度なS字カーブ)
症状と影響
• 首が前に出て、腰が強く反ることで背中全体が大きく反るS字姿勢
• 胸椎・腰椎ともに深くカーブしている状態
特徴
• ソファに常に背もたれに寄りかかっている
• 周囲から「やる気がない」と思われやすく、自身もだるさや頭痛がある
• 食事や勉強で体を捻って、食器やノートに手を伸ばす
• 座っている途中で頻繁に足を組み替える、安定して座れない
• ベッドや布団でうつ伏せ姿勢で読書することが習慣
改善策
• 胸椎や腰椎の調整が必要(ストレッチや体操で背中全体の硬さを和らげる)
• 浅い呼吸から深呼吸へ促す練習が有効
• 仙骨を立てた座り方や体軸の使い方を段階的に習得させましょう
発展的な分類(放置によるさらなる変形)
それぞれの基本タイプからさらに進行・複合化する場合、以下のように分類されます:
あごだし系
1. あごだしタイプ
2. ↓巻き肩へ
3. 巻き肩・自信なしタイプ(肩が内側に巻いて変形し始める)
仙骨歪み系
1. 仙骨歪みタイプ
2. ↓進行して
3. 腰そり骨変形タイプ(腰が過度に反って骨が変形しはじめる)
複合歪み系
• 複合的歪みタイプ:仙骨歪み+あごだしの両方の要因による混合
無体軸系
1. 無体軸タイプ
2. ↓さらに進行して
3. 背面迫タイプ:体が後ろに反り返るようになってしまった状態
その他
• ストレートネックタイプ:見た目は姿勢が良く見えるものの、実は頚椎の緩やかなカーブが失われて痛みがあるタイプ
姿勢を良くするには意識すべきは背中ではない
姿勢が悪いから、背筋を伸ばしなさい!と注意されたら、どんな動きをしますか?
ピンと背筋を伸ばす!と思うと、ぐっと背中をまっすぐにして、腰をそって胸を突き出す人が多いです。
子供に最初にやってもらっても、胸を突き出しますし、大人にやってもらっても、胸を突き出します。
背筋を伸ばすと聞くと、背中を「棒のように伸ばす」のがよいと思い、結果、無理やり胸を前に突き出します。
そうすると、逆の背中が縮むことになりそれが苦しいです。
だからそんな無理やりの姿勢は辛くて続きません。
だから「いい姿勢をしても続かない」という結果になります。
続かないのは子供なら我慢して辛いことしませんよね。
だから、ポイントは他にあります。
あごです。
あごを引く。
猫背になると、あごが上がります。
ますあごを引くのです。
姿勢が良いのが続かないと感じる人は、先に胸を突き出して、背中を無理やり縮めないように注意しましょうね。
特に写真撮影でカメラマンによく顎引いてと指摘される人は注意しましょう。
自分に合う椅子と机の高さとは
子ども大人関係なく机に向かう時間が長い現代において、自分に合った高さでないと、姿勢が悪くなり、肩こりや腰痛の原因になります。
参考例として計算方式を書きますので参考にしてください。
机=(身長㎝ × 0.25 – 1)+(身長㎝ × 0.183 – 1) 椅子=身長㎝ × 0.25 – 1
この数値に合わせると、机が高すぎて頬杖をついたり、椅子が高すぎて首が下に下がったりしにくい環境になります。
どうしても机や椅子の高さが合わない場合は足元に台を置いたり椅子と背中の間にクッションを入れたりして調整するといいでしょう
子どものランドセルについて
小学生の毎日は、ランドセルとともにあります。
登下校中はもちろん、通塾や課外活動でも重たい荷物を背負って移動することが多く、姿勢の崩れや身体の負担が気になるご家庭も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「ランドセルの正しい背負い方」と「調整のポイント」について、成長期の子どもの体を守るために大切な6つのポイントをご紹介します。
①体にしっかりフィットさせる
もっとも基本で大切なのは、ランドセルを体にフィットさせることです。
特に背中や肩に密着していないと、歩いているうちにランドセルが後ろに引っ張られ、無理な姿勢になってしまうことがあります。
調整ベルト(肩ひも)をきちんと締めて、ランドセルと背中の間に隙間ができないようにしましょう。
背負った後は、正しい姿勢でまっすぐ立てているか確認してください。
きれいに立っていられるなら、ランドセルが体にフィットしている証拠です。
また、ランドセルの背面に装着する後付けのクッションカバーなどを使うのも効果的です。
②肩のラインより少し上にくる位置に
体にフィットさせたうえで、できるだけ高い位置に背負うのが理想です。
特に1年生のうちは、ランドセルが肩のラインより少し上に見えるくらいがベスト。
これは赤ちゃんのおんぶと同じ原理です。
赤ちゃんも体に密着させて、顔が肩より上にくるように抱くことで、重さを軽減できます。
ランドセルも肩の少し上に位置するように調整することで、子ども自身も「軽くなった」と感じることができます。
③重い荷物ほど、背中に近い位置に入れる
荷物の入れ方にもコツがあります。
特に重たい教科書や水筒などは、ランドセルの背中側(奥)に近い位置に入れましょう。
これは、登山家やバックパッカーがリュックに荷物を詰めるときと同じ考え方です。
重い荷物が背中に近いと、体との一体感が高まり、姿勢も崩れにくくなります。
④重いものは上に入れると安定感アップ
重いものは「背中に近い」だけでなく、できるだけ上の方に配置するのが理想です。
重心が下がってしまうと、体全体が下方向に引っ張られやすくなり、猫背や前傾姿勢の原因になります。
逆に、重心が高くなると、ランドセルが安定し、まっすぐな姿勢を維持しやすくなります。
⑤中身がずれないように固定する
元気いっぱいに走ったり跳ねたりする小学生。
ランドセルの中身が動いてしまうと、体のバランスが崩れ、肩が引っ張られて負担が増します。
特に、給食セットや体操服などの軽くて大きい荷物は、中で動きやすいため注意が必要です。
荷物が動かないように、仕切りやポーチで整理整頓する工夫をしてあげましょう。
荷物の安定は、姿勢だけでなく安全面でも大切です。⑥成長に合わせた調整を忘れずに!
ランドセルの肩ひものベルトは、入学時のままになっていませんか?
子どもは1年で数センチずつ身長が伸びていく成長期です。
成長とともに肩や背中の形も変わるため、季節ごと、学年ごとにベルトを再調整することが必要です。
夏と冬では服の厚さも変わるため、少しの調整でも体感が大きく変わります。