側弯症と坐骨神経痛
側弯症と坐骨神経痛
側弯症が原因となる痺れや痛みとは
側弯症でしびれや痛みが発生するのはおおむね30歳代からと言われており、子どもであれば度数が高くても痺れや痛みを感じることは少ないです。
当院の患者さんでも痺れや痛みを訴える方は中高年の方で、男性に多い印象を受けます。
むしろ痺れや痛みを感じて、病院に行きレントゲンを撮影して、初めて側弯症に気づく方もいらっしゃいます。
もしお子さんが側弯症で痛いと言い出したら急激に進行しているサインの可能性がありますので注意してください。
(姿勢不良や筋肉痛の痛みは別として)特に今回は痺れの原因の1つである坐骨神経痛について触れていきたいと思います。
坐骨神経とは
そもそも坐骨神経とは、人体で最も太く、最も長い神経で、腰部から足にかけて広がっています。
具体的には、脊椎の腰部(L4、L5、S1、S2、S3)から出て、臀部を通り、太もも、膝、ふくらはぎ、足まで続いています。
この神経は、運動機能と感覚機能を支える重要な役割を持っています。
運動機能は、 坐骨神経は、下肢の筋肉、特に大腿の後ろや下腿の筋肉を制御します。
これにより、歩行や走行、ジャンプ、足を動かすことなどが可能になります。
具体的には、膝を曲げる筋肉(ハムストリングス)、足首を動かす筋肉(ふくらはぎの筋肉)などを支配しています。
感覚機能は、下肢の感覚を支配します。
神経は足の裏や足の指、太もも、ふくらはぎ、そして足の外側部分の感覚を伝達します。
この感覚情報が脳に送られることで、痛み、圧力、温度などを感じることができます。
坐骨神経痛とは
坐骨神経痛とは坐骨神経が圧迫されたり、損傷したりすることで、神経痛が発生することです。
症状としては、腰から臀部、太もも、膝、ふくらはぎ、足まで広がる痛みが特徴です。
痛みは鋭い刺すような痛み、焼けるような痛み、鈍痛などさまざまです。
そして、 足の裏や指にしびれを感じることがあります。
また、感覚が鈍くなったり、麻痺したように感じることもあります。
主な原因として
①椎間板ヘルニア・・・腰椎(背骨)の椎間板が突出して神経を圧迫し、痛みやしびれが生じます。
②脊柱管狭窄症・・・脊椎の中で神経を通す管(脊柱管)が狭くなり、神経を圧迫してしまうことがあります。
③梨状筋症候群・・・坐骨神経は、臀部の梨状筋(りじょうきん)の近くを通ります。梨状筋が硬直や炎症を起こすと、坐骨神経が圧迫されて痛みや痺れが発生することがあります。
④側弯症・・・①②③は側弯症でない方も発生することが多いですが、側湾症で背骨が左右どちらかに曲がっていることと、それにより脊柱が回旋してねじれを引き起こすことによって①②③を発症しやすく、その結果として坐骨神経痛が発生しやすくなります。
主な改善法として
①薬物療法・・・痛みを和らげるために、抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩剤、神経痛を和らげる薬(ガバペンチンなど)を使用することがあります。
②リハビリテーション・・・適切なストレッチや筋力トレーニングを行い、神経の圧迫を軽減させることが目標です。
③手術・・・薄い椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が原因で神経圧迫が強い場合、手術で神経を解放することが検討されることがあります。
③は最終手段になるので、①で痛みや痺れを緩和させて②で再発予防をするといったかたちがスタンダードでしょう。
また①は使用し続けると効果が薄くなってしまいますのでやりすぎには注意が必要になります。
側弯症と坐骨神経痛どちらを優先して改善するのか
側湾症で坐骨神経痛を併発した場合どちらを優先して改善していくのか。
これは坐骨神経痛の症状の強さによって決まります。
もし痛みや痺れが強く歩行困難などの症状が出ているのなら、まずは日常生活に負担のない状態に戻すために坐骨神経痛の改善を優先しましょう。
ある程度改善したら側湾症の施術を行いましょう。
一方、痛みや痺れが軽ければ、側湾症の施術を並行して行うことで坐骨神経痛の症状を抑え、原因となる側湾症の症状も改善させていきます。
坐骨神経痛のストレッチ
では坐骨神経痛に対するストレッチをいくつか紹介していきます。
実際に文字だけではわかりにくいと思いますので、気になるストレッチがあれば、YouTubeや雑誌等で同じものを探して取り組むことをお勧めします。
なかには当院の側弯エクササイズに類似のものもあります。
また以下の3つに注意して取り組みましょう。
①ストレッチ中に痛みを感じたら、無理せずに中止し、体をリラックスさせましょう。
②深い呼吸をしながら、ストレッチを行うことで筋肉の緊張を和らげます。
③急いで行わず、ゆっくりとストレッチを行い、筋肉をリラックスさせることが大切です。また道具を使ってやるのも効果的です。
①ハムストリングのストレッチ・・・⑴床に座り、片足を伸ばし、もう一方の足を膝を曲げて足の裏を内ももに付けます。
⑵伸ばした足のつま先を目指して、ゆっくりと体を前に倒します。
⑶20〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。
立ってやる場合は、椅子に片足を乗せて前傾姿勢をとるとハムストリングスが伸びます。
この時、椅子に乗せている足は少し外に向けると効果があがります。
②梨状筋のストレッチ・・・⑴仰向けに寝て、片膝を胸に引き寄せます。
⑵引き寄せた膝を反対側の肩に向けて引き寄せるようにしてストレッチします。
⑶20〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。
③ねこちゃん体操簡単バージョン・・・⑴四つん這いになり、手と膝を肩幅に広げます。
⑵息を吸いながら背中を反らし、頭と尾骨を上げます(カウのポーズ)。
⑶息を吐きながら背中を丸め、顎を胸に近づけます(キャットのポーズ)。
⑷これを10回繰り返します。
④膝抱えストレッチ・・・⑴仰向けに寝て、両膝を胸に引き寄せます。
⑵両手で膝を抱え込むようにして、少し圧力をかけて深く引き寄せます。
⑶20〜30秒間キープします。
⑤股関節のストレッチ・・・⑴仰向けに寝て、片膝を曲げて胸に引き寄せます。
⑵引き寄せた膝を外側に開くようにしてストレッチします。
⑶20〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。
⑥太もも前側のストレッチ・・・⑴立って片足を後ろに曲げ、足首を手で掴みます。
⑵そのまま膝を後ろに引き、太もも前側が伸びるのを感じます。
⑶20〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。
⑦足の引き寄せストレッチ・・・⑴座って足を前に伸ばし、片方の膝を曲げて足の裏を反対の太ももに付けます。
⑵曲げた膝を胸に引き寄せ、臀部や腰が伸びるのを感じます。
⑶20〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。
⑧仙腸関節ストレッチ・・・⑴テニスボールを2つくっつけ、お尻の少し上の固い骨(尾部)にあてて、そのまま仰向けで寝ます。
⑵1分から3分ほどテニスボールがずれないようにキープします。
⑨腓骨頭のマッサージ・・・⑴椅子に座り、片足を90度に曲げます。
⑵膝の外側にあるグリグリとした小さな骨を見つけます。
⑶その骨を強くつまんだり、もんだりします。
⑷20〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。
以上9つです。
このなかからご自身の痛みや痺れの箇所にあわせて適切なストレッチを行ってください。
入浴後にやることをおすすめします。
坐骨神経痛は大人になると発症しますが、その予防として身体の柔軟性は非常に大切です。
柔軟性は年齢を重ねるごとに失われていきます。
症状が出る前から行えるとよいですね。