側弯症治療のおすすめの病院パターン
側弯症における病院の違い
側弯症と診断されたら
学校検診や会社の健康診断、その他の誰かに側弯症の疑いを指摘されたら、まずご自宅や会社の近くにある整形外科でレントゲンを撮ってもらいます。
その際に20度未満だと経過観察と判断され、4~6か月後に再度整形外科に行きレントゲンで進行具合を確認します。
20度以上であれば側弯症専門医のいる大きな病院を紹介されて度数次第で、コルセット装着や手術をすすめられるというのが一般的な側弯症発見から施術までの流れとなります。
しかし病院にも様々あり対応も様々であるためオススメの病院や施術過程を知っていただきたいと思います。
あくまでも手術をしない前提でのお話にはなります。
手術を希望する場合はこれからの文章は気にせず、必ず担当医の方の言う通りに行動してください。
側弯症に対する病院に違いパターン
①手術に力を入れている病院
②コルセットに力を入れている
③とくになにもしないで下手にリハビリをする病院
[①]これはいわゆる大きな病院で側弯症の名医と呼ばれるドクターがいらっしゃいます。
だいたい各都道府県にある大学病院があてはまります。
大学病院が多くある主要都市であれば側弯症の手術例が多いところが良いでしょう。
東京では新宿区にある慶応大学病院をはじめ文京区にある東京大学病院、順天堂大学病院、品川区にある昭和大学病院。
千葉県では聖隷佐倉市民病院、神奈川県では済生会東部病院、湘南藤沢徳洲会病院。
埼玉県では東松山市民病院、川口総合病院、埼玉医科大学病院。
東海地方だと愛知県の名城大学病院。
東北地方だと宮城県の西多賀病院。
関西圏だと大阪府にある大阪市立総合医療センター、大阪医科大学附属病院あたりが有名かと思います。
ここで勘違いしていただきたくないのは、一般的にインターネット等で側弯症の名医と検索した時にヒットする方たちは、あくまで手術のスペシャリストであり、手術を望まない場合には医師のスキルは関係ないということです。
なぜならレントゲン撮影して数分会話して終わりだからです。
つまり手術をするなら名医のいる病院に行くべきですが、手術を望んでいないのであれば名医のいる病院に行っても・・・むしろ装具に力を入れていないことが多く、身長が伸びているにもかかわらず何年も同じコルセットを装着していたり、コルセット自体の効果が薄いためあまり矯正されないコルセットを1日に20時間装着し、結果進行してしまい手術をするという方も多くいらっしゃいます。(上に列挙した病院すべてにあてはまるわけではありませんが、当院の患者様のお話を聞く限り、こういった病院もあるということです。)
[②]これは大きな病院小さな病院にかぎらず、手術をしない側弯症に対してしっかりと取り組んでもらえる病院です。
どんな病院かというと、まずコルセットの効果が高い。
コルセットは病院によって形や素材そして矯正力が全然違います。
装着して角度が最低でもマイナス10から15度くらい減ると理想的で、効果が期待できます。
その後も定期健診のたびにメンテナンスをしてもらえるかどうか、ちゃんと自分の身体にあうように何年かに1回はコルセットをつくりかえてくれるか。
コルセットは基本的には保険適用になりますが、1年に1つまでと決められています(例外もあるようですが)。
実費になると安くても10万円高いと30万円程度と言われています。
つまり言われるがままコルセットを作ったけれども効果が薄かったり、痛くて装着できなかったりとなっても他の病院でコルセットを製作するには1年は待たないと実費になってしまうということです。
この点を考慮して製作を依頼すべきです。
[③]あまりおすすめできない病院です。
まず側弯症はリハビリだけで改善するものではありません。
そのため大半の整形外科は大きな病院を紹介しコルセット装着させます。
当院でも体操指導は致しますが、体操だけでなく施術やコルセット装着を含めてRHPI療法として施術しています。
また27年の側弯症に対する経験値と知識を駆使しています。
しかし病院でリハビリを担当する理学療法士や私も取得した柔道整復師(接骨院で働いている人が持っていることが多い)は授業で側弯症を習いません。
「名前は知っといてね」くらいの感じでさらっと流されてしまいます。
つまり知識と経験値がない方のリハビリを受けても効果は期待できません。
ましてリハビリだけを施術法としている病院は絶対にオススメできません。
当院にいらした患者様でもすでに40度近かったのに大きな病院を紹介してもらえず、ひたすら1年間リハビリに通ったけれど、見た目も明らかに悪化していて個人的に大学病院へいったら60度になってしまったという例もあります。
このように何を目的としているかで病院を選択する基準が変わります。
手術をするなら名医に執刀してもらえるに越したことはないです。
また入院期間もそれなりにあるので、自分が過ごしやすい環境かどうかも選択する基準になるかと思います。
逆に手術したくないのであれば、しっかりと自分に合った効果のあるコルセットを基準に選択するべきだと思います。
またこれらの違いの他にもレントゲン撮影の方法でも様々なパターンがあります。
経過観察において最も重要な事柄ですので、具体的にはまた後日コラムに記載していこうと思いますが、簡単に分類すると以下のようになります。もちろん①が良いです。
①コルセット装着なしとありで撮影する病院
②コルセット装着しか撮影しない病院
③コルセットなしでしか撮影しない病院
④直前にコルセットを外し矯正の力を残して撮影する病院=(シュロス法もこれに近い)
⑤度数を詳しく教えてくれない病院
側弯症を進行させないようにするために
以前にコラムでも記載しましたが、側弯症を予防することは難しいです。
なぜなら先天性にしろ特発性にしろ側弯症の原因が不明とされているからです。
そのため最も重要なことは、側弯症を早期に発見し、しっかりと経過を観察して進行しないように適切に施術していくことです。
早期発見するためには、学校の健康診断におけるモアレ検査を受けること。
しかしすべての学校で検査が行われるわけではありません。(自治体や私立公立によっても違います)
そういった場合には、ご家庭で触診による簡単なチェックを行うべきです。
特に思春期になると、お子さんはなかなか裸体をご家族にも見せないと思います。
そのため気づかずに発見が遅れ、気づくころには洋服を着ていても明らかにわかるくらいのでっぱりになってしまっている方もいらっしゃいます。
またご家族や親戚に側弯症を持っている方は特に要注意です。
絶対に遺伝するとは言えませんが、当院へ来られる患者様の半数近くが身近に側弯症の方がいるとおっしゃられます。
またパイロットやキャビンアテンダントは厳しい身体検査があり、実際にレントゲン撮影して角度で合否をわけられることもあります。
発見が遅いと施術が間に合わないかもしれません。それで落ちるのはもったいないと思います。
次のステップの施術というのは、病院まかせにしてしまうといけません。
もちろん手術などの高度な施術やコルセット製作などは医師のみが行えますが、上記のように病院や医師によっても様々なパターンがあります。
特に軽度であれば、経過観察と診断され半年後の診察までの間に急激に進行しているケースが多くあります。
側弯症はいつ・どこで・どれくらい・進行していくのかわかりません。
気づいたら即行動することをオススメします。